那須・男鹿/苦土川井戸沢 2008/11/9

タイム:加藤谷川林道1290m付近8:20~大峠8:50~井戸沢出合10:40~登山道13:40~流石山13:55-14:40~大峠15:20~下山15:55

人数:3人

氷柱を折り取り、霜柱を踏み締め、樹氷を掻き分け突き進む。そんな変態的沢登りを敢行してきた。井戸沢はこの辺ではメジャーなルートで初級の沢だが、11月に入るには寒すぎた。

新潟から行く場合、会津側から入った方が近い。会津若松から阿賀川沿いに国道を走り、観音沼から加藤谷川林道を走る。日暮滝の滝見場を過ぎて少し行くと舗装路面はダートに変わり結構凹凸がある。観音沼付近はカラマツの黄葉が残っているが、標高を上げるにつれて枝は寂しくなっていく。目指す稜線には白いものが見える。まあとり合えず大峠までは行ってみよう。東からの林道が分岐する地点を少し過ぎると駐車スペースがあり、この先進入はご遠慮下さいとの表示があったのでクルマを止める。林道を10分ほど歩くと林道終点になり、数台のクルマが止まっていた。

大峠までは30分ほどかかった。稜線上の樹やササにはうっすらと雪がかぶさっている程度で積雪というほどではない。休んでいる間に数パーティーが行き来する。初冬の曇り空だというのに人気のあるルートのようだ。反対側の登山道を下り、中ノ沢を横断する地点から下降開始。ナメの多い渓相で綺麗だが滑りやすい。暑い日ならちゃぽちゃぽ楽しく下れるだろうが、今は水に漬かるのは極力避けたい。際どいへつりに渡渉にジャンプにと無駄に労力を使う。1時間強で井戸沢出合に着いた。
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中ノ沢を下る
出合付近は伏流している。少し遡ると堰堤工事中で、現場の人に事情を話して通してもらう。聞くと遡行者は「毎週来る」とのこと。この山域随一の人気ルートらしい。

最初の15mはo畑君に右のリッジを登ってもらうが、残置スリングに足をかけたりしてなんとか越えた。最初からロープを出すべきだったか。周りを見ると、左岸をトラバースして巻けそうなので私含む後続2人はそちらから巻く。
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その後は登れる滝が続き快調に登っていく。が、何しろ水が冷たく水中に手を置くことすらしたくないので、無駄に難しいルート取りになったりする。連瀑は明るく開けた雰囲気で、時期と天気が良ければ最高だろう。

いくつか支沢を分けて水が枯れかける頃になると、両岸の氷柱やら霜柱やらが目立ってくる。しまいには氷瀑になりかけの小滝が続くといった具合で震えながらの遡行になる。沢床の低い方を選びながら詰めていくと、ほとんどヤブ漕ぎもなく稜線に出られた。ガスって展望はない。
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稜線上は樹氷の赤ちゃんのようなブッシュがあちこちにある。寒さは耐えられないほどではないが手足の先はかなり冷える。ブッシュの間にツェルトを張って潜り込み、バーナーを点けると中は多少は暖かくなった。カップラーメンの熱さが嬉しい。
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下山は1時間と少しでクルマに戻れた。流石山の東稜線を下っている途中、ガスが一時的に晴れて付近の斜面が一望できた。木々の白はササの緑とは対照的で、純白の花を満開に咲かせたような見事な光景だった。冬山でもなく秋山でもない、この時期だけ見られる景色なのだろう。

下山後は国道121号線沿いの弥五島温泉「郷の湯」で汗を流した。300円とリーズナブル(ただしシャンプー類は+100円)な割にそう狭くもなく綺麗な所だった。