越後三山/北ノ又川白沢 [沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 越後三山・越後駒ケ岳周辺
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、小畑(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 都丸
日程 2008/10/19 晴れ
タイム 10/19 柳沢出合上流の白沢林道分岐(駐車場所)7:10~入渓7:15~1:1二俣8:00~登山道12:05~百草の池12:10-12:55~道行山14:00~駐車場所14:55

報告

【総評】5m前後の滝が源頭まで適度な間隔を置いて現れ、そのほとんどは登れるので面白い。簡単すぎず難しすぎない滝登りが十分に楽しめる。特に源流部は小滝が次々現れ息つく暇もない。悪いというほどの場所はないが、中流域以降の滝を巻く場合、草付急斜面の登りやトラバースになるので慎重なルートファインディングが必要になる。また、雪渓が残る時期はその処理と水量が増えることでグレードが上がるだろう。

昨年7月に訪れた北ノ又川白沢は、核心を前にしてズタズタの雪渓に行く手を阻まれて中途で止めざるを得なかった。満を持してというわけでもなかったが、紅葉盛りのこの時期に再び同じメンバーで遡行することができた。

石抱橋から枝折峠方面に少し走る。白沢林道のゲートを開けて入り、柳沢出合より700mほど上流の白沢林道の分岐付近の道脇にクルマを止める。7:00過ぎに出発、わずかに歩くと道がなくなり入渓する。水量は去年と比べるとずっと少なく淵も浅く見える。3段15mの魚止の滝は今回は左岸のルンゼから巻いた。1:1の二俣以降は5m前後の滝がいくつか現れ、去年のことを思い出しながら順調に登っていく。小畑は1年の間に身のこなしがずいぶん良くなった。何も言わずともルートを自分で探して登っていく。1ヵ所、去年はショルダーで登った3m滝は流木を利用して先頭の小畑がすっと登ってしまったので後に続く。が、一歩が難しくて少し躊躇してしまった。これはうかうかしてられないぞ。


1)下部は河原


2)7m滝を登る


3)ここから核心(3段12m滝)


4)両岸草付

正面から支沢が滝をかけて入り、本流は左に曲がって連瀑帯の入り口となる。去年敗退を決めた場所で、ここから上流は未知のエリアだ。最初の3段12m滝は2段目までを無難にこなす。3段目はまず右側壁のトラバースを検討したがこれは悪い。ロープを出して水線を直登した。ヌメるコケを落としつつ左壁から右壁に移り、落ち口近い水流の中にある良いホールドをつかめたので勢いをつけて上がる。滝上にも滝は続き、問題なく登っていける。

沢は今度は右に曲がり6mCS滝をかけ、正面からヒドが入っている。ガイド(『上信越の谷105ルート』)通り右岸スラブのトラバースを検討したが、岩上に土が多く滑りそうなので止め、左岸の草付に取り付いた。傾斜が強く枯れかけの草は当てにならないので、ハンマーで土壁のステップを切ること20歩位でようやくブッシュにたどり着き滝上へトラバース。その後も小滝が続く。

7m直瀑のすぐ手前で左岸から1:1ほどの水量で支沢が滝を掛けて入り込んでいる。本流の直瀑は薄暗く湿っていて、登って楽しくもなさそうだ。右岸のルンゼから草付に入ってトラバースする。

勾配が強くなる1400m付近になると水流はほとんどなくなる。ガイドでは7段20m、4段15mと記述しているが、要は両岸急傾斜の谷筋に小滝を連続して現れるといった渓相だ。水がないので沢登りという感覚は薄い。ロープを出すほどでもないがそれなりに楽しめ、高度をどんどん稼げる。連瀑を越えると穏やかになった。両岸の草紅葉が綺麗だ。左岸の支沢2本を見送り、枯れ滝10mを越えた直後に左岸から入る支沢を詰め、笹ヤブを10分ほど漕いで登山道に出た。

百草の池のほとりで休憩する。晴れ渡った空と一面の紅葉、無風の稜線に降り注ぐ陽光は暑い位に感じられた。道行山からの下りを使う人は少ないようで、落ち葉の絨毯の上を歩くようだった。枝をつかむたびにはらはらと舞う葉に送られて林道へと下った。始まりから終わりまで気持ちの良い快適な一日だった。


5)源頭近い


6)10m枯れ滝


7)百草の池