那須/阿武隈川一里滝沢~南沢(下降) 2008/10/7

駐車場7:40~一里滝沢出合8:00~1630m付近登山道11:20~坊主沼付近11:50-13:05~1480m付近鞍部から南沢に下降開始13:50~南沢出合16:10~駐車場16:25

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新潟県内だけ雨予報だった7日は太平洋側に足を伸ばして那須山塊を訪れた。私もfuutaさんも始めて来るエリアだ。阿武隈川流域は記録が豊富で手頃そうな沢がいくつもある。白水沢、南沢あたりの人気が高いようでネット上の情報が多い。本沢は高巻きが多く沢登り的な楽しさはあまりなさそうだし、距離が長く一泊コースになる。今回選んだ一里滝沢は比較的難度が高いようだ。

新潟から3時間強で甲子温泉大黒屋手前の駐車場に着く。と、細かい雨が降り出してきた。なんとかもってくれよと思いながら出発する。工事中の大黒屋の脇を通ってわずかに下ると阿武隈川の堰堤に着く。水量は思ったより多くない。3基の堰堤を越え、20分ほどで一里滝沢の出合に着いた。南沢出合は数10m下流だ。雨は既に上がっている。

一里滝沢遡行
出合からナメ状の滝を2つほど越え、その後はゴーロが続いて少々退屈。堰堤状の5m滝は左岸を低く巻く。1:1の二俣の左には4m二条の滝がかかり、中央をフリクションを効かせて登った。さらに1:1の二俣を左へ。だんだん沢幅は狭まり、渋い小滝を2つ越えると核心の6m滝だ。ロープを出して左のクラック沿いに登る。スタンスが細かく、落ち口付近がちょっと悪い。連打されている残置ハーケンが助けになった。流木を使って5m滝を越えると、すぐ上に12mくらいの下半分が赤い滝がかかり左岸から巻く。上のナメ状の15m位の滝も一緒に巻いてしまう。

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簡単に登れる階段状の滝を3つほど越えると水流はたちまち細くなり源流の様相になる。ササが覆いかぶさるヒドを潜りながら鞍部を目指すが、少し手前で右に入ってしまったようで、詰めは笹ヤブを20分くらい漕いで登山道に出た。

坊主沼の避難小屋を目指して道を歩く。ヤブが多く鬱陶しい。沼の手前で道が二俣になっており、高い方に上がる右に入ると、コンクリートの基礎部分だけの工事中らしい平地に出た。これが小屋なのか? と思いながらツェルトを張って休む。休憩後、二俣に戻って沼の方に降りる道を行くと今度はしっかりした小屋が現れた。後で調べると、上の方は建造中の新しい避難小屋だそうだ。

南沢下降
甲子山への下りは沢筋を歩いたり横断したりで、あちこちがぬかるんで湿地のようだ。左右のヤブも相変わらすで、半ば廃道かと思うほどであった。赤テープがなければ遭難者続出だろう。甲子山手前の鞍部に案内板があり、ここから登り返しが必要になるというところで南沢下降のプランが頭に浮かんだ。ここまで新潟から遠出してきた割には一里滝沢があっけなく終わってしまい、正直なところ物足りなかった。時間はまだ余裕があり、不快な道にも嫌気がしていたところだったので、fuutaさんに了承をもらい下降開始。緩やかな林を分けて降りていく。
阿武隈川南沢阿武隈川南沢
源流の小滝を適当に下っていくと、先の空間がぽっかり抜けて30m大滝がかかる。ロープは1本だったので途中でピッチを切って懸垂下降する。出合までは10m前後の滝がいくつもかかり、合計7ピッチの懸垂下降になった。他のパーティーも下降で使ったらしく、落ち口には大抵残置スリングが残っていた。休むことなくハイペースで飛ばして2時間強で出合に着いた。南沢は源流から出合まで適度な間隔で滝がかかり、悪いところはなさそうだ。綺麗な滝がいくつかあり、晴れた日に登れば気分がいいだろう。人気があるのは当然という感想だった。

この日は出発時に少し雨が降っただけで一日曇りといった天気だった。折角の紅葉が映えなかったのは残念だ。阿武隈川源流の沢は想像したよりスケールは小さい印象で、遡行だけなら半日行程だろう。下降と組み合わせることで一日十分に楽しめた。帰りは新甲子温泉・ちゃぽランド西郷で汗を流して帰路に着いた。