~ 高山植物を訪ねて ~ 加賀白山(2702m)

1. 山域・メンバー

山域・山名 加賀白山
山行内容 尾根
メンバー L. 内山 成海 戸貝 鈴木(峡彩山岳会)

2. 行動記録

日程 2007/7/21-22
タイム 7/21 6:30燕三条⇒11:15市ノ瀬P⇒11:50バス乗車⇒12:05別当出合…12:50中飯場…14:25甚之助避難小屋…15:20南龍ヶ馬場野営場
7/22 5:00テント場…6:35室堂…7:20御前峰(山頂・1時間休)…9:30室堂…10:35テント場(撤収)…11:00出発…12:50別当出合…13:00バス⇒13:30市ノ瀬P出発、新潟へ

報告(内山)

5日前の地震の影響による道路事情と梅雨前線本州停滞中ということを心配しての出発になりましたが幸いなことに結果的にはどちらも大きな影響はありませんでした。


別当出合吊橋

白山は白山国立公園内で夏山シーズンはマイカー規制が敷かれています。市ノ瀬でマイカーからバスに乗り換えると私達のパーティの貸切で、ゆったりと登山基地の別当出合(1260m)へ向いました。別当出合からは大きな吊橋を渡って砂防新道のコースを取りました。空はどんよりとして、下ってきた登山者が「2日間何も見えなかった」などと話していて「もしかして私達も…」と少しテンションが下がります。

 登山道に入ってすぐユリによく似た今まで見たことがない植物があり、少し勉強してくるのだったと後悔しました。道はよく整備されていて、一歩の高低差も非常に足に優しい感じです。途中何ヵ所も登山道の補修工事をしていて維持管理も大変だなと思いました。

 休み場の中飯場はきれいなトイレの小屋の前に蛇口から水が出ていてキャンプ場のよう。景色はガスで何も見えないが、周りの緑が濃く草のにおいがしました。この辺まではペース良かったのですが、段々とペースが崩れ、登山道もぬかるみ状態になったりして苦しい思いをしました。すれ違ったほとんどの登山者が小屋泊まりで、ヨロヨロ歩いていると「すごい荷物だね」と声をかけられました。

甚之助避難小屋の手前辺りからミヤマキンポウゲやハクサンチドリが現れて「よしよし」といった感じ。テン場への分岐まで来るとニッコウキスゲやコバイケイソウなどのお馴染みの花が出てきましたが、相変わらずガスで展望はなし。泊る予定の南龍ヶ馬場に着いても営業小屋が見えるもののテントのひと張りも見えず、沢をはさんで対岸の野営場が全然分からなかった次第です。野営場周辺は広大で自然観察路のようになっていてハクサンコザクラやコイワカガミなど咲いていて、まだ雪が消えたばかりのようでした。

テントを設営した後は、食事をしながらテント泊り初体験の鈴木さんにテント生活の心得やロープの結び方、山の歌を伝授。8時半に就寝しました。

翌日は4時起床、5時出発。展望歩道のコースを取ります。木道を歩いているとクロユリ発見。コバイケイソウがにょきにょきと目立ち、時折ガスが切れると広々とした草原が見渡せます。登りにかかると針葉樹のトンネルを抜けた後アルプス展望台に出るが何も見えません。背の高い木がなくなるとチングルマやコイワカガミやキンポウゲの庭園になり、その後傾斜がかなり緩くなるとハイマツの大平原が出現し、ちょっと見たことのない景色でした。標高2400mを超えた所にこんな大平原が広がっていることに驚き、この山のスケールの大きさを感じました。


山頂からの室堂

ほとんどハイキング状態で歩いていると突然ガスの中からすぐ近くに室堂の宿泊小屋群が見え、今まで誰とも会わず静かであった所から大変賑やかな所へ入り込み、その差が面白かったです。肌寒くカッパを着け、室堂センターをちらっとのぞき山頂を目指すとここから山頂までは30分余り。小屋泊りの人は朝ご飯時間なのか、山頂は人がまばらで花の山から神社がある岩山にとって変わっていました。


山頂にて
 山頂で写真を撮ったり思い思いに1時間過ごす内にスカッと晴れ渡るのを期待しましたが、思い叶わずお池めぐりのコースへ出かけます。大小たくさんの火山湖を巡るこのハイキングはまだ雪渓に覆われている箇所が多く水をたたえている大きな湖は2つ分かっただけです。この辺りはアオノツガザクラとコイワカガミの群生で色がきれいで時々巨岩などありロックガーデンのようでした。

 室堂が近くなってくるとまたハイマツ林やたくさんのクロユリに迎えられました。室堂のお宮でお守り等(種類が豊富)を買った後、テン場への下りはエコーラインのコースを取りました。笹原の中を木道が通り散策路のようになっています。雪が消えたばかりなのか登りに使ったコースより花は少ないようでした。たまにガスが晴れると泊り場も見えたりして大きな山容を楽しめました。

テントを片付けて下山。この辺りの木道はヒノキの香りがしました(?)下りも砂防新道を使いましたが、曇っていても昨日より視界がありここはこんな風に景色が見えたのかと驚き合いました。2時間弱で別当出合に着き、満員バスに揺られ駐車場に戻りました。高速料金は割引を上手く使い、ガソリン代と宿泊費300円、バス代往復800円を含め、合計一人当り6000円の出費で済み、大変ありがたかったです。

白山は花々が派手でなく、細やかでかれんだったのと山頂付近の広々とした平原が印象深い山でした。