飯豊連峰春山合宿

5/5~6 B隊 L伊藤 南山 松原 坂井 木村

五月晴れの早朝,南山さん宅に集合し7名で一路飯豊山荘へ出発するが,ゲートには鎖がしっかりと掛かっておりしばらく格闘するが結局一時間少々歩いて飯豊山荘へ到着。強い日差しの下で一服,今日はバテそうな予感。温見平よりE隊が中止となり急遽坂井さんが合流し5名で雪渓へ進む。南山さん松原さんの二人から「なんかへんな雪の残り方だな~例年と違って中央部がえぐれておっかしいぜ」との声があがる。天気が良いのも良し悪しで稜線まで見通せる雪渓歩きは距離感が倍増する感じだ。とにもかくにも一歩ずつ詰めて行く。本石転び沢の出合い付近からは両岸からの小雪崩が起きており,のんびり一服という訳にもゆかず噴出す汗をぬぐいながらヨロヨロと高度を上げてゆく。次第に傾斜がきつくなりザックの中のビールがうらめしく思えてくるが,こればっかりは譲れない一品なので小屋で乾杯するイメージをエネルギーに変換して足を前に出す。梅花皮小屋へはなんとか午後4時前に到着,喜多方・群馬の合同パーティー等で結構な人数だが,1階で荷物をひろげのんびりしているとC隊の山スキー組が到着する。いつも元気な戸貝さん,東京からの高橋さんをはじめ皆すこぶる元気そう。この元気の差がそのまま宴会にも現れて楡井さんは絶好調である。縦走組は明日のこともあり早々に就寝体制に。

翌日,スキー組は御西方向へ,我々縦走組は北股岳へと二手に分かれる。

ここからは冬合宿の偵察も兼ねており,南山さんからポイントのアドバイスを受けながらリーダーの伊藤くんが磁石を手にルート確認と地図への書き込みを開始しながら進んで行く。冬の荒れたイメージは全く想像出来ないほどのどかな稜線歩きで,タバコがうまい。成海さんが前日西俣ノ峰から頼母木小屋に上がっているので,稜線上ですれ違えるかなと 思っていたが既に降りたもようで梶川尾根のトレースをのんびりと眺める。さすがに連休は入山者が多く,他にも下越山岳会やランタン会等のパーティーともすれ違う。

地神付近では太陽の周りに虹が出ていて,雲に映った彩雲を見ることが出来た。あいにくカメラの調子が悪く記録出来なかったのがかえすがえすも残念であった。

大石山・鉾立峰を通過し,玄さんのレリーフで坂井さんが御神酒をあげた後,前日と同じ午後4時まえにえぶり差小屋に到着する。梅花皮小屋と違い主稜線の北端のせいか他のパーティーもおらず,貸し切りのなかで宴会となる。明日は下るだけなので前日と違い皆元気が良く,太子さんに焼酎を分けてあげたのが悔やまれる。坂井さんの美声を肴にすべてのアルコールを消化し,日付が変わる頃ようやく眠りにつく。

翌日はのんびりと起床し撤収準備をしていると,出迎え隊の丸山さん・都丸くん・福士くんの3人がひょっこりと顔を出す。前日は千本峰付近で雪洞泊とのこと。全員で記念撮影の後下山を開始する。稜線上は勿論であるが下降時のルートファインディングの重要性を丸山さんも加わってポイントの取り方等のアドバイスを受ける。出迎え隊の雪洞地点で 1/3引き上げシステムを練習するがスムーズに行えず,事故者役の松原さんはあえなく遺体として収容された。2月の粟ヶ岳では川口さんの指導によりうまく出来たが,あーでもないこーでもないと時間が掛かるわりにうまくゆかず,福士くんより直接ロープアップしたほうが1/3短縮できるんじゃねえの!と鋭い指摘を受ける。日頃からの練習の必要性を痛感しながら再び下降を開始する。下るにつれて気温も上がり喉が渇きを覚える頃林道終点に到着。川で喉を潤しているとなんと上流で福士くんが小用を足し始めたため,汚染を恐れ早々に林道歩きを開始し小山さん・本望さんが廻していてくれた南山号に無事到着。帰路温泉で汗を流していると再び酔いどれスキー隊と合流,賑やかな合宿を終えた。

記:木村